Interview selector session3

Selector/笹貫淳子

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「アートやクリエイティブは止まらない」は何も作家だけではない。作家や制作された作品たちと一緒にアートを発信し繋げる「場」や「人」たちもまた存在している。関西アートシーンの「現場」にいる「人」たちに聞いてみた。

クリエイティブ・コーディネーター
笹貫淳子/ Junko Sasanuki
https://www.junkosasanuki.com

あらゆる場所がクリエイティブを繋げる現場に。活動エリアは全世界。

Q. 普段はどんなお仕事をされていますか?
肩書きを一言で表現できなくて、便宜上クリエイティブ・コーディネイターと名乗っているフリーランスです。形態としては、企業様からプロジェクトのご依頼を頂きチームで動く仕事と、クリエイターから直接依頼を受ける場合と2つありますが、いずれもクリエイティブやアートワークを軸とした案件ですね。クライアントワークだと、クリエイティブも含めたブランディング業務、広告などのクリエイターブッキングから制作進行管理。PR業務。2021年から元FM802の谷口純弘さんと立ち上げた「チグニッタ」運営では様々なプロジェクトや個展キュレーション。谷口さんと画家の下原亜矢さんと立ち上げたアートフェア運営。クリエイターから直接ご依頼を受ける場合は、海外案件が圧倒的に多いです。英語での契約書から先方とのコミュニケーション含めて納品までワンストップでエージェント的に対応しています。同じような仕事をしている海外の友達と、「自分達の肩書き」について冗談めいて出た結論は「ジャグラー」でした。日本語で言うなら「皿回し」でしょうか。常に複数が同時進行なので、何個もお皿を回しているイメージです。たまに割れる時があります(笑)

Q. コーディネーターとして特に意識している事はありますか?
丁寧、正確、迅速、テキパキとがモットーです(笑)。数年前に自営業の屋号を考えていた時に「テキパキ」にしたら?と言ってくださった方がいました。そうですね、相手と仲良くなることですね。お仕事の内容や規模に関係なく、お互いを知り作っていくことを意識しています。 私は20年近く企業で日本未展開の海外ブランドを日本に持ってきて、新しいマーケットを作る仕事をしてきました。ファッション業界だったのでコンセプトやイメージ作りがとても大事です。特に10年近くはニューヨークが担当で、デザイナーやアートディレクターをたくさん取材をして喋って「物」ではなく「スピリット」を理解することを徹底的に叩き込まれました。だから会議よりも一緒に食事して普段の会話をして、相手の懐に入ることがとても大事でした。そこからブランディングとマーケティングを深掘りする。そこが今の仕事の根底にあると思います。御用聞きになる、右から左に移し替える、日本語から英語に変える、これだけではオペレーターです。チームの一員として動くため、仕事相手を理解しつつ、全体を俯瞰しながら考えるバランスと正確さを意識しています。仕事でご一緒するクリエイターやプランナーの方々は、需要の高さと仕事の精度は比例していますから、勉強になりますね。

Q. 笹貫さんにとってARTGOESONプロジェクトとは?
アートを軸に色々な人が集まっている大きなアートサークルのような広がりだと思います。誰もがどこかで「表現し続ける」と思っていたらそれが「アート・ゴーズ・オン」です。立ち上げた時はコロナ禍の2020年4月、初めてのステイホームの時でした。全てが止まってしまって、仕事も含めてあちこちでため息や嘆きが聞こえてきて「これはあかんわ」と思って、すぐに滝本さんとロケさん(ロケット・ジャック)に「ちょっとZOOMで相談したいことあるんですけど」ってメッセージ打ちました。その数時間後に3人で話しましたね(笑)。英語で、「それでも人生は続く」を Life goes on. と言います。あと、私が大好きなビートニクスの詩人達は Beat goes on.と言っていました。だから名前は、道を歩いているときにArt goes onが思い浮かんだ瞬間のことを今でも覚えています。3人でスタートした小さなプロジェクト名が、今ではアーティストのみならずたくさんの方々が口にしてくれていることが不思議だし、周囲のサポートやご理解に感謝しかありません。

Q. この先のアートシーンと笹貫さんの今後の活動について?
アートシーンではクリプトアートやNFTの動きがとても気になります。しかし、フィジカルとメタバースの二極化という前提ではなく、良い意味でのどっちもありです。時代や今いる環境を変えたくないから人は線を引くだろうけど、そうでない人たちはもっと融合するというか行き来を自由すると思います。あるいは、メタの世界には「アート」と言うカテゴリーさえ無意味になっているかもしれません。ある種の表現のアウトプット場所、または遊び場、またはイノベーション。今でも「これがアート?」と思ってしまう作品がたくさんありますよね。もちろん淘汰されていくと思うけれど、何かをmake it happen(実現させる)手段として使い方を知っている人が有利なのではないでしょうか。フィジカルの世界だと、作品だけではなく作家のストーリーや人柄、個性がモロに出ます。メタバースはさらに、マーケティングやPRのコツを持っていることが大事かと思います。その時点で、戦略が個性を上回る。個性も戦略で作れますよね。アートシーンとは?ということがもっと急速に変わるのではないでしょうか。

私の今後の活動は、2022年は上半期に1年分の仕事をした気がするので、休みます(笑)というのは嘘で、変わらず色々お皿を回したり落としたりするでしょう。メイン活動の一つチグニッタは相変わらず盛りだくさん企画になりそうです。そして、秋に個展のディレクションをします。来年企画も同時進行なのでそろそろ頭は2023年モードに切り替わりそう。また、高知暮らしも増やします。2020年コロナ禍で都会の脆弱さに危機感を覚えて、美しい仁淀川と農産物が豊な高知県吾川郡いの町と大阪の二拠点暮らしをしています。私は、通勤が嫌でフリーランスになった人ですから、オフィスに縛られることなく、Macとネット環境さえあれば世界のどことでも繋がれるanywhere型をさらに進化させます。コロナ前から、海外との打ち合わせはずっとZOOMでした。太陽をたくさん浴びて、土を触って、外部注入の町おこしではなく地元プレーヤーの一員となり、晴耕雨読の暮らしを目指したいな。

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