「アートやクリエイティブは止まらない」は何も作家だけではない。作家や制作された作品たちと一緒にアートを発信し繋げる「場」や「人」たちもまた存在している。関西アートシーンの「現場」にいる「人」たちに聞いてみた。
キュレーター / 写真家
西谷月彦/ Tsukihiko Nishitani
STUDIO DIFFUSE MAKE +:大阪市中央区南船場4丁目-10-13 HUQUE bld 4F
ホワイトキューブのフォトスタジオから表現する人の光を一緒に届ける
Q. STUDIO DIFFUSE MAKE +はどんなギャラリーですか?
ヘアメイクを併設したホワイトキューブのフォトスタジオです。普段はここで撮影をしながら、月に10日は壁を解放して、アートギャラリーとして作品の個展を開催しています。スタジオの名前の「ディフューズ」とは撮影用語で、光を柔らかく当てるや拡散するという意味があるのですが、この場所で自分や作品を表現する人の光が広がり周囲に浸透して新しいものを構築していただけたら良いな、そんなお手伝いをしたいと思っています。
Q. 作家さんのセレクトはどうしていますか?
アーティストをセレクトする目線は、キュレーションを始めた10年前から変わっていませんね。スキルはあるのに広め方がわからない、展示会が夢だけどやったことがない、という作家さんを中心に選ばせて頂いています。個展中の売り上げよりも、将来的に何かやらかしてくれそうな志が高い人を探して「ここでの個展が世間に出ていくきっかけとなった」というストーリーが好きだし、実際にそうなっています。僕自身、40年近く写真家として数多くの被写体や場面と関わってきているけどキュレーションは毎回リフレッシュしています。また、この場所でアートを通して色々な人が出会い、繋がっているのが嬉しいですね。
Q. #ARTGOESONプロジェクトについてどう感じていますか?
コロナ禍で生まれたこのプロジェクトに救われた作家さんもいると思う。作家ファーストなシステムに共感して立ち上がりから応援しています。僕は、アートゴーズオンを通してキュレーション同士の繋がりが増えたことがとても嬉しいな。
Q. 今後、どのような活動をされますか?
アーティストとして成長したい、活動の幅を広げたいなど心意気と志のある未知の方々はもちろんのこと、力をつけてきて再び戻ってきてくれるアーティストの成長を見るのも楽しみです。今年も月1回の個展を開いて、アーティストの光を広げプラスを作る。ここは、作品を見にきてくださる方々と一緒に楽しめる場所です。これからも楽しみにしていてください。
Q. 本展示でのセレクト基準や注目してみてもらいたい点はありますか?
今回、僕が担当するのは約12Mの壁。その広い空間をストイックにシンプルに展示します。タッグを組むのは、京都在住の画家・柴田直樹。日本画の岩絵具・墨・膠などを用いてモノクロの表現をする現代アートの若い作家。AGOのために新作描き下ろし!彼は僕がUNKNOWN ASIA 2021で個人賞を差し上げた作家です。翌週には僕のギャラリーで個展もします。連動してお楽しみください。