「アートやクリエイティブは止まらない」は何も作家だけではない。作家や制作された作品たちと一緒にアートを発信し繋げる「場」や「人」たちもまた存在している。関西アートシーンの「現場」にいる「人」たちに聞いてみた。
ディレクター / イグエムアート案内人
奥田智美/ Satomi Okuda
ギャラリー イグエムアート igu_m_art :大阪市北区西天満4-5-25北老松ビル1F
路地を入った隠れ家のようなギャラリー
Q. イグエムアートはどんなギャラリーですか?
塗料に砂漠の砂を混ぜた「壁」が特徴です。母・北村瑞枝(日本画家)が砂漠の砂を使うこともあり、砂を取り入れて作品が映える空間を作りました。壁の質感や凹凸などのテクスチャで風を感じてもらえたらな。一般的なギャラリーよりも個性が強い壁なのですが、作品を飾ると壁がスッと空間に溶け込み、全体と調和します。ジャンルレスなアート展覧会を開いていますが、西洋絵画にも現代アートにも調和し、作品に新たな発見や新鮮な印象が生まれるのも魅力です。
Q. 作家さんのセレクトはどうしていますか?
イグエムアートは今年6月で5周年を迎えます。当初は母の知り合いや、フライヤーや図録のデザインで知り合った作家さんからのご紹介でスタートしましたが、今では年間36本を企画しお付き合いする作家さんも毎年100名は超えます。それでも一貫して「この壁に飾りたい作品」に声かけをさせていただいています。壁の個性に戸惑われる方もおられましたが、ここ数年で「展示したいです!」というお問合せも頂きます。開業時は、作家セレクトの基準に悩みましたが、「自分基準で良い」と思うようになり落ち着きました。作家さんとの程よい距離感を大事にしながら、気持ちの良いお付き合いを心がけています。また、最近はインスタグラムを使った発掘も。SNSをポートフォリオとして使っている方だと、作品や展示の話もとてもやりやすく、良いツールだなと思いますね。
Q. #ARTGOESONプロジェクトについてどう感じていますか?
作家さんにハッシュタグなど伝えも、なかなか取っ掛かりがイメージしずらいのか、自ら投稿までに至らない方々もいました。でも私がSession 2でも関わってみて、「アートやクリエイティブは止まらない」というメッセージに共感したし、今回ご一緒する作家たちは、アートゴーズオンに出るきっかけができたことが嬉しいと言ってくれています。
Q. 今後、どのような活動をされますか?
2024年秋頃までは企画が決まっていて、頭の中は常にカレンダーが並走しているんですよね(笑)引き続きお楽しみにしてくださいね。
Q. 本展示でのセレクト基準や注目してみてもらいたい点はありますか?
「zigazou 」の展示です。約30名の作家が従来の自画像の枠を超えて自由に自分を表現した作品を展示します。今年2月のイグエムでの展覧会が好評だったので、さらにボリュームアップしてCASOに臨みます。作り手が自分としっかり向き合った自画像作品です。絵画あり半立体あり。作り手の思いも文章で紹介する展示にしますので楽しみにしてください。